農地保全相談窓口

いなかの困りごとは「農」に関することが多い!

鹿対策で2mメッシュ柵の設置を決めた。しかし、地元には高齢者ばかりで設置できそうにない。企業や大学生に応援してもらうことはできないだろうか。

先祖から受け継いだ農地。腰を痛めていよいよ農作業ができなくなった。隣近所には引き継いでくれる人がいない。もう荒らすしかないのだろうか。

転出者の田を集落の共同作業で草刈りしているが、メンバーも高齢化し限界に近付いている。自走式の草刈り機があったらいいのになあ。

移住して1年、暮らしも落ち着いた。家族の食べる米くらいは自給したいが、農地の借り方、米作りのノウハウが分からない。

農に関するお悩みや相談には、法律や制度などの専門知識や情報が必要です。「しきしま支え合いシステム」に寄せられる相談のうち農に関するものを、専門チームが解決に導く仕組みを検討中です。

美しい農村景観はしきしまの宝

「しきしま暮らしの作法」第一条に「家、田畑、山林は、地域共有の風景と考えよう。」と定められました。個人財産であっても、それらが織りなす農村風景は、未来に引き継ぐ地域の共有財産なのです。

「しきしま・ときめきプラン2020」に重点プロジェクトの一つとして「農地保全プロジェクト」が位置付けられたのは、美しい農村景観が、移住者やしきしまファンを呼び込み、ここで暮らす人々の心の支えとなるからです。

2019年に行った「私と家族の将来像」アンケートでは、「10年以内に農地が管理できなくなるかもしれない」と、54%の農家が回答しています。耕作放棄地だらけの地域に誰が移住を考え、関心を寄せるでしょうか。

農地保全プロジェクトチームでは、そうならないための方策を検討しています。これまで、集落単位で考えてきた対策を、広域で検討することで、解決の選択肢が増え、支援制度活用の幅も大きく広がります。

その手法の一つとして、2023年度より中山間地域等直接支払制度の8集落協定を統合、未協定の3集落を加えて「しきしま集落協定」とし、「広域化加算」などの加算金を活用して農地保全に取組んでいます。また、加算金は「しきしまの家」の運営資金としても活かされています。

農村型地域運営組織(農村RMO)事業に挑戦!

2022年度に創設された農村型地域運営組織(農村RMO)モデル推進支援事業は、まるでしきしまのために用意された支援制度のようです。

2023年度よりこの事業の採択を受け、販路がないために作付けを諦めていた水田の活用や「メグ友会」「旭元気野菜の会(正晴会)」が取組む、高齢者が元気をつなぐ福祉型農業の更なる進展に向けた実証事業を進めています。

また、2022年5月の農業経営基盤強化促進法の改正で義務付けられた「地域計画」(目標地図)を、実効性のある計画とするための話し合いや専門家を入れた農地保全のビジョンづくりにも活用しています。

人口減少・高齢化が進む地域で、美しい農村景観を守っていくためには、

  1. どのような農業や農地の将来像を描くか
  2. 何を生産し誰に買い支えてもらうか
  3. 誰がどのような仕組みで農作業を担うのか

を考えなくてはなりません。

農地保全プロジェクトチームは、社会の構造的問題である農地問題は、住民の努力だけでは解決困難であることから、国、県、市の全面的な協力を得て、多様な支援制度を駆使して解決に取り組んでいきます。