「敷島会館じゃいけないの?」~新たな拠点がなぜ必要か~

しきしまには「敷島農村環境改善センター」、通称「敷島会館」があります。

地域の中心に位置し、広い駐車場を備え、災害時の「指定避難所」として安全性も高く、誰でも利用できる公共の施設が用意されているのに、なぜ、協賛金集めやクラウドファンディングまでして「しきしまの家」を整備する必要があるのでしょうか?

敷島農村環境改善センター

敷島農村環境改善センター「敷島会館」は、1988年(昭和63年)に農林水産省の補助金を活用して建設された、貸し館を目的とした公共施設です。同様の施設が小渡、笹戸、浅野、築羽の各自治区単位に設けられています。

地域の中心に位置し、広い駐車場を備え、災害時の「指定避難所」として安全性も高く、誰でも利用できる敷島会館は、自治区活動の拠点として、自治区や団体の会議、行事、料理教室やカラオケ、英会話教室などにも利用されています。

使用目的によって、利用料金の違いはありますが、許可を得ればだれでも利用できます。しかし、貸し館は、許可を受けた人が目的をもって集う場所。事務所を置いたり、カフェの営業をしたりすることはもとより、誰かに会えるかもしれないと、ふらりと立ち寄ることができる場所ではありません。

しきしま♡ときめきプラン2020」策定時には、支え合いの拠点は敷島会館に置くものと、誰もが漠然と考えていました。しかし、2021年に行った「困りごとアンケート」での住民のニーズ、相談窓口常設(事務所の設置)の必要性などから、それがいかに困難であるかが分かってきたのです。

「あいまいで緩やかなつながり」を作る場の必要性

取り留めのない無意味な会議を「井戸端会議」と揶揄して言うことがあります。

長屋の井戸端会議風景(東海道中膝栗毛) – wikipedia

江戸時代までの共同住宅「長屋」には、共同施設としての井戸があり、順番待ちの主婦たちがたむろしていました。そしてそこは、世間話に花を咲かせ、情報交換をする憩いの場にもなっていたようです。

現在では、団地内の児童公園、SNSのバーチャルなコミュニティがそれに当たるのでしょうか。全国では、空き家や空き店舗を活用した「自治公民館」「私設公民館」「コミュニティカフェ」「子ども食堂」などが広がっています。

「井戸端会議」のような「あいまいで緩やかなつながりを作る場」として広がるこれらの場所は、人同士の関係の希薄化や複雑化から「自分の居場所」「出会いや学びの場」「楽しく実践する場」として求められていると言われます。

2021年に行った「困りごとアンケート」では、たまり場としての「カフェ」「コインランドリー」「子どもの居場所」「何もしなくても居ていい場所」などの要望が寄せられており、これらにも応えられる拠点の整備がテーマとなりました。

敷島会館を、プロジェクトの目的と、住民のニーズに合った施設にするためには、豊田市から資産として買取るしかありませんが、将来の維持コストなどを考えると断念するしかありませんでした。

2022年1月、絶妙のタイミングで旧杉本保育所の従前借主が、同3月で退去するという話が舞い込み、整備活用に向けた検討や関係者との調整の結果、ここを拠点とすることが決定されました。

2022年6月、プロジェクトチーム、自治区役員会の総意で、誰もが家族の元に帰るような気持ちで立ち寄れる場所として「しきしまの家」と命名、併設されるカフェは、「ふらっとyui」と名付けられました。

地域経営を営む法人の拠点

「しきしまの家」は、協議組織である敷島自治区の総意の下で、方針に沿って、経営的な観点や手法で具体的に事業を実践する実働部隊として設置されます。そして、年度ごとに役員が変わる自治区組織と異なり、責任の所在の明確化や中心人材へのノウハウの蓄積が必要なことから、早期の法人化を想定しています。

そして、支え合いシステムおよび農地保全の相談窓口と事務機能が設けられるほか、しきしまをフィールドとして社会貢献に取り組む企業、森林ボランティアなどの団体、しきしまファンなどがプラットホームとして交わるための機能が備えられます。

2023年4月の暫定オープン以降、支え合いシステムの実証をはじめとして、共用草刈りロボット、野菜配送システム、高齢者などの移動支援などの実証が計画されており、「しきしまの家」は最もホットな場所として注目されることでしょう。

私たちは、クラウドファンディングに挑戦しています。ご支援、拡散をお願いします。

困りごとの相談窓口&老若男女誰でも集える居場所 「しきしまの家」をつくりたい

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