「地域の絆が 都市とつながり 未来を拓く」とは?

「地域の絆が 都市とつながり 未来を拓く」このコピーが決まるまでにおよそひと月、3回の会合を要しました。

私たちプロジェクトチームは、性別、年齢、職業、価値観、町内会も違う普通の住民です。プロジェクトを通じて実現したいことも同じではありません。しかし、地域の内と外に向けて発する言葉は、皆の思いを代弁し、心に響くものでなくてはなりません。

このコピーに込められた、私たちの思いが、皆さんに伝わりますように。

地域の絆を紡ぐ

安心して暮らし続けられる地域を次世代に残したい。ふるさとを消滅の危機から守りたい。希薄化した住民同士の関係性を「ちょっと助けとくれん」と、気軽に言い合える、かつての「結」のあった共同体に戻したい。それが私たちの出発点です。

団塊世代が人生を全うする頃、人口減少のスピード、高齢化率、一人暮らし高齢世帯は、MAXを迎えます。それはすぐそこに来ています。誰かが何とかしてくれる?……いいえ、福祉行政はすでに限界に達しています。

地域が家族のような絆で結ばれていれば、「まあ、何とかなる」と思えるのではないでしょうか。

そのために私たちは、しきしま独自の「支え合いシステム」を立ち上げます。元気なうちは、すべての人が自分のできる範囲のことで「支える人」を経験します。その積み重ねが、困ったときに「ちょっと助けとくれん」と気軽に言い合える地域を育むと考えました。

そして、「支えられる人」とレッテルを貼るのではなく、口が動く限り「支える人」にもなってもらいます。例えば、野菜作りや漬物のコツを伝授する、昔の暮らしを子供たちに聞かせることも大切な地域の役割です。きっと誰もが「いい人生だった」と思えるでしょう。

都市とつながる

これは少し難しい話ですが、是非、読み進めてください。

すべての国民は、いずれかの地方自治体(県及び市町村)に住所を置き、納税の義務を負うとともに、地域自治に参加したり給付を受けたりする権利を有することが地方自治法という法律で定められています。

しかし、過疎が進み、高齢者ばかりになった山村地域では、住所を置く住民だけでは、お役や催事など地域自治ができなくなっています。都市部に出て行った息子さんが、お役の日、村祭りの日にはふるさとに帰って役割を果たすことは、普通に行われています。

また、山村の出身者でなくても、企業の社会貢献として、森林ボランティアとして、自然保護などを通じた自己実現の場として、しきしまをフィールドに地域課題に取り組んでくれる人たちがいます。近年では、彼らを「関係人口」と呼びます。

押井町では、米の長期栽培契約をした消費者「自給家族」が100家族に達しました。彼らは、安全で美味しいお米を確保する一方、農作業や地域行事に参加することで、楽しみながら「買い支える」形で、農地保全という地域課題解決の一翼を担っています。

私たちは、しきしまのこれからの自治を、「関係人口」の人たちと一緒になって行う「関係自治」という概念の下で進めていこうと考えています。法律や学説に裏付けされたものではありませんが、無理のない、お互いさまの地域自治のスタイルに確信を持っています。

明るい未来を拓く

「しきしまの家」を上空から臨む((合)アサノエンタープライズ提供)

安心して暮らし続けられる地域を次世代に残したい。そのために、今を生きる私たちが為すべきことは鮮明に見えてきました。「地域の絆を紡ぐ」支え合いの仕組みを創ること、「都市とつながる」「関係自治」を地域自治のモデルとして確立することです。

日本中が飲み込まれていく人口減少、高齢化という社会現象を、ネガティブに考えていませんか。人口が減少し、高齢社会を迎えても、しきしまが取り組む「関係自治」の成功を、津々浦々まで広げれば、何も心配することはありません。

科学技術の進歩は、生産性を高め、暮らしの利便性を高め、人々の自己実現や自己研鑽、社会貢献に向ける時間は飛躍的に増えるのではないでしょうか。一人が「関係人口」としてかかわる地域自治は何か所でもいいのですから、一人が何人もの役割を、楽しみながら果たす。そんな未来が、必ず拓けるはずです。

困りごとの相談窓口&老若男女誰でも集える居場所 「しきしまの家」をつくりたい

2 COMMENTS

鈴木辰吉

伊藤圭一さま。いつも応援ありがとうございます。しきしまの成功を旭の成功に、旭の成功を矢作川流域に、矢作川流域の成功を日本の成功につなげましょう。あと一歩!拡散にご協力ください。

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